五十嵐大輔

2020年11月14日4 分

無知な親が奨学金で子供の人生を不利にさせる

みなさま、こんにちは。DSKです。

近年、奨学金が返済できず破産する「奨学金破産」がメディアなどでも取り上げられています。

奨学金は金利も低いので、うまく活用すれば良い借金の部類です。

ですが良い借金でも、使う側が分かっていなければ悪い借金になります。

今回は奨学金とは何か、どんな人が悪い借金へと変えてしまうのかを説明します。

奨学金は3つある

奨学金には「給付型」「貸与型(無利子)」「貸与型(有利子)」の3つがあります。

それぞれの説明をすると

・「給付型」

学生が将来的に返済する義務のない奨学金

・「貸与型(無利子)」

社会人になったら返済する義務のある奨学金

ただし、一般的な借金と違い利息がかからないので、借りた分だけを返還します。

・「貸与型(有利子)」

社会人になったら返済する義務があり、尚且つ利息がプラスされます。

「奨学金=学生の味方」のイメージがある方がいると思いますが、それはこのうちの「給付型」だけです。

「貸与型」は社会人になったら返さなくてはならないので、つまりは借金です

教育ローンや一般融資に比べ、有利な利率だったり猶予期間がありますが、通常の借金と同じ様に一定の条件のもと返済義務が生じます。

簡単に借りられるのは「貸与型(有利子)」

「給付型」は返さなくて良いなら「給付型」が良いと思う人が多いでしょう。

ですが選考の基準は①「給付型」→②「貸与型(無利子)」→③「貸与型(有利子)」の順となっています。

当然「給付型」は返済義務がないため、対象となる人数は限られます。

家計状況や学業の成績によるなど条件は厳しいのです。

そのため奨学金を利用する学生は、条件の緩い「貸与型(有利子)」が最も多くなっています。

奨学金は利用した学生本人に返済義務が生じる

中には親が申請させたからと、親が支出する場合もあるかと思いますが、大半は親に余裕がないから申請するため、基本的には本人が返済していくことになります。

奨学金と言えど「貸与型」は借金なので、返済が遅れると以下の様なリスクが出てきます。

  • 延滞金の発生で返済額の増加

  • 信用情報に傷がつく

  • 返済の一括請求

  • 給料や財産の差し押さえ

信用情報に傷がつけば、将来のローンを借りられない場合が出てきます。

「他に借金などしない」という人も、クレジットカードを作れなくなったり、スマホの割賦払いが出来なくなるなど不便はでてきます。

さらに滞納することで、それこそ「奨学金破産」もありえます。

その場合本人だけでなく、保証人となっている親も破産のリスクが有ることを理解しておく必要があるでしょう。

奨学金×一人暮らし=貧乏生活へ

奨学金を利用する上で、考慮した方が良いことに、実家から通学や通勤をできるか。という事があります。

労働者福祉中央協議会が2019年に出した『奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」調査結果の要約』によると、借入総額は平均で324万で、返済期間は約15年、返済金額は約17000円となっています。

出典:「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」調査結果の要約

しかし、大学で一人暮らしとなると生活費が大きくなり、奨学金の借入額も増えていく事が想定されます。

借入額が増えれば、期間を伸ばすか返済額を増やすしかありません。

仮に平均額で返済としても、卒業後も一人暮らしでは厳しいものとなります。

厚生労働省が平成30年に発表した学歴別初任給によると、大卒の初任給は約20万。

これは額面なので、実際手取りとしては17万程度。

2年目からは住民税も加わり16万程度となるでしょう。

生活費として家賃に6万、光熱費や通信費で2万使ったら、残りは8万円。

そこから奨学金を返済したら残りは6万ちょっと。

この残りの6万で食費や交際費、仕事道具や自己投資にも使わなくてはなりません。

これが実家暮らしなら、毎月の使える金額は12万に増えます。

奨学金を利用する際には、金額だけでなく大学や卒業後の生活環境も考慮する必要があるでしょう。

親が無知だと子供が不利になる

奨学金は使い方によって、人生を有利にも不利にも変えてくれます。

そのため、しっかりと将来まで計画して利用する事が必要となります。

ですが、実際に契約するのはまだ10代の子供です。

自分でお金を稼いだこともない子もいるでしょう。

自己責任とは言え、それをいきなり考えろというのは酷でもあります。

だからこそ、周りの大人が正しい知識をもって、明確な数字や可能性を見せてあげる必要があります。

逆に親が無知だと、大学卒業後に不利な条件でスタートすることになってしまいます。

安易に、お金がないからと奨学金に走らず、将来まで見据えた計画を立てていきましょう。

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