五十嵐大輔

2020年12月1日3 分

共働き世帯に打撃?来年の子供手当はどうなる?

みなさま、こんいちは。DSKです。

11月に、政府は児童手当の「特例給付」を2021年度中に廃止する方向で検討に入ったという報道がされました。

多くの反響があったニュースですが「うちには関係があるのだろうか?」と不安な方もいるでしょう。

今回は子供手当について解説していきます。

そもそも児童手当とは

児童手当とは、「中学校卒業までの児童を養育している世帯」に行政から支給される手当のことです。

子供が3歳未満の場合15000円の支給、その後中学卒業まで10000円が支給される制度です。(3歳〜小学生は第3子以降15000円)

ただ、全ての過程が受け取れるのかというと所得制限があり、一定以上の所得がある世帯は受け取ることができません。

判定は所得が対象かつ子供の人数にもよるので一概には言えませんが、目安として年収800万以上の方は制限超えの可能性があるでしょう。

制限を超えると受給ができなくなるので、ギリギリ制限を超えてしまった人と、ギリギリ制限内の人では総額で200万ほどの差が出てしまいます。

そのため現時点では、制限を超えた人を一部救済する措置があり、それを「特例給付」と言います。

「特例給付」は年齢に関係なく一律で5000円が支給されます。

今回の見直し案は2つ。廃止と世帯収入

今回の児童手当の見直し案で検討されている内容は以下の2つです。

・特例給付の廃止

・所得制限の判定基準

1つ目は今まで制限を超えた人に支給されていた、一律5000円の特例給付を廃止するというもの。

そして、今回特に問題になっているのが2つ目の判定基準です。

今まで主たる生計者の所得が収まっていれさえすれば受給できていたのですが、今回の見直し案では、世帯全員の合計所得に対して判定されるようになります。

例えば、今までは「夫の年収1000万+妻が専業主婦」は制限を超えると判定されていたのに対して、「夫の年収700万+妻の年収300万」では制限内に収まっていました。

同じ世帯年収は1000万なのに、これでは不公平感があるということでこれを解消するための見直しですが、これにより共働き世帯には大きな問題となったのです。

確定してないが実現すると影響は大きい

ニュースで報じられて大きく炎上しましたが、実際はまだ確定していません。

少子化対策を担当する坂本大臣は、記者会見で「廃止を決定した事実はない」と明言しています。

ただ、そうは言っても実現すると大きな影響が出るでしょう。

例えば、夫の年収が750万でお子さんが3歳と1歳の場合

「妻の年収250万」と「妻の年収100万」だと年収としての差は150万あります。

これを手取りで考えるとどうなるのか。

年収250万だと世帯年収は1000万になり、児童手当はもらえなくなります。

また配偶者控除もないので、手取りおよそ800万ほどになります。

対して、年収100万だと世帯年収は850万ですが、児童手当が月25000円受給でき、配偶者控除もあるため手取りはおよそ730万になります。

年収は150万の違いがありますが、手取り額は70万ほどになります。

そして多くの場合、100万より250万を稼ぐ方が労働時間も多いでしょうから、その分の保育費用や必要経費なども考えると、使えるお金の差はもっと縮まるでしょう。

「頑張っても手取りが増えないなら働かない」という意見になるのも当然です。

そういった考えが広まると、世帯年収が減ると税収が下がるのに支給額は減らないという、国として悪循環になってしまいます。

その辺りも含めて、単純に廃止するのではなく「上限額を引き上げ」や「多子世帯の給付額アップ」といった案も合わせて検討していく方針のようです。

どのように変更されるのか。

自身の家庭にどの程度影響が出るのか。

今後の動向を冷静に確認していきましょう。

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