五十嵐大輔

2021年1月21日3 分

4月から始まる「70才定年法」。でも安心できるわけではない

みなさま、こんにちは。DSKです。

現在は、2013年に改正された高年齢者雇用安定法で、65歳までの高年齢者雇用確保措置が会社に対して努力義務として課されています。

これが4月から、70歳まで雇用確保措置を努力義務とする、通称「70歳定年法」が施行されます。

「70才定年法」によって、私たちの生活はどう変わるのか。

70才まで働けば老後資金が楽になる

現在は、60才で定年し65才まで再雇用という方も多いのではないでしょうか。

それが4月から、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の改正により、企業は定年を70才に引き下げることが努力義務になります。

これからは70歳まで働き、90歳~100歳まで生きる人生設計が当たり前になってくるでしょう。

70才定年になることによって、気になる老後資金はどう変わるのでしょうか。

現在、人生100年時代と言われており、老後の資金が2000万足りないと言われています。

仮に65才〜95才までの30年間で2000万足りないとすると、

これを70才まで働くと、5年分所得が増えるので、不足資金はその分少なくなります。

その上、年金は70才から需給に繰り下げをすると42%増えますので、70才までそのまま働けば、その分貯めておく資金も少なくてすみます。

おそらく、現状50才以上の会社員の方は70才まで働けば、老後の心配は大きく減るでしょう。

労働力不足の解消にはなるが、若者は不満も

この70才定年法は企業にとってもプラスな部分もあります。

それは教育のいらない労働力の確保です。

企業が一から人材を育てるのは、多くの労力と費用が必要です。

これが定年が伸びることで、人材の確保が容易になるのです。

ただ一方、若い社員からすると上の世代がなかなか卒業しない状況となり、「いつまでも昇進できない」といったモチベーションの低下に繋がってくるでしょう。

最近は能力主義の会社も増えましたが、全体で見るとまだまだ年功序列の会社は多いです。

評価制度を考えるトップ層に年長者が多いので、しばらく年功序列は続くでしょう。

企業としては人材を確保しつつ、いかにして優秀な若手を離脱させないかを考えていく必要がありそうです。

70才まで同じように働けるとは限らない

「70才定年法」に対して、ネット上では「70歳までなんて働けない」といった声が多く聞かれる一方、「70歳まで会社にいられるならありがたい」といった感想を持つ方もいます。

ですが、終身雇用制度が崩壊している今の状況で、「同じように」70才まで働けるかは分かりません。

昨年、電通が一部の正社員を業務委託に切り替えるというニュースがありました。

70才定年法は、70才まで「正社員で」働かせるとは書いていません。

会社に残りたくてもフリーランスや起業の道が用意されるかもしれません。

また、昨年大手銀行が大規模な配置転換を行うなど、正社員でも全くの畑違いの業務につかされる可能性もあります。

上記で書いた、会社が確保したい人材は「利益を出す人」です。

会社に利益をもたらさないで、定年だけ伸びる人の面倒を見る余裕はありません。

そのため、定年が70才までになったと言っても、安心できるわけではないのです。

結局は安心できる為には、社会から必要とされる能力を磨き続けることが必要です。

現状70才定年は努力義務ですが、今後高確率で義務になるでしょう。

その時に好条件で働く為にも、今からできる準備をしていきましょう。

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