五十嵐大輔

2021年4月24日3 分

イメージに騙されない。事実を見る。

みなさま、こんにちは。DSKです。

先日、政府が福島原発の汚染水を海洋放出することを表明し、話題になりました。

メディアでは「汚染水を海洋放出」という部分を強調し、風評被害が懸念されるとしています。

ですが、政府は放出にあたってトリチウムの濃度を国の基準の40分の1、WHOが示す飲料水の基準の7分の1程度に薄めるとしています。

数字上は国際的にも問題ありませんし、海洋放出は海外でも行われています。

何事もイメージで考えずに、事実を見る事が大切でしょう。

イメージは誤りや誇張もある

物事を人に説明するためにイメージを伝えるのはとても効果的です。

ですが、イメージはあくまでイメージ。

事実とは違うものや、誇張されている場合もあることを知っておきましょう。

以前ニュースで「日本のイチゴは農薬の量が台湾の200倍」といって話題になりました。

これは台湾に出荷しようとしたイチゴの残留農薬量が多く、取引されなかったことによって広がった話題です。

その際問題になったのはピメトロジンという農薬で、台湾の基準残留用は0.01ppm、一方の日本は2ppm

確かに、日本の残留農薬の基準値は台湾の200倍です。

ですが、だからといって本当に200倍の農薬があったのかというと、実際に残留していたのは0.05ppmだったので0.04ppmの差でした。

この数値が良いか悪いかは農薬の専門家に任せるとして、ここで言いたいのは「200倍」という言葉に引っ張られて、日本の食品は農薬が多いというイメージになることの危険です。

「基準値が200倍」と聞くと、すごく悪く感じる方が多いと思いますが、実際の差は0.04と聞くとどうでしょうか。

「それくらいなら誤差じゃない」「たまたま多かったのかな」くらいの感想の人もいるのではないでしょうか。

事実は事実でも、使い方や言い回しによってイメージに大きな違いが出てきます。

イメージで良し悪しを決めない

「健康成分配合」「環境に配慮した」など、イメージを使った宣伝や説明は様々なところにあります。

しかし、これらの実際の数字や効果を検証したことはありますか?

一昔前に、美容効果としてコラーゲンが流行りました。

当時は肌からも口からも効果的に摂取できなかったので、ただ「美容に良いものを食べている気持ちになれる」だけでしたが、「コラーゲンは美肌効果がある」と言われ凄く売れました。(今は研究が進み効果があるかも知れません)

また「レモン50分のビタミンC」という謳い文句の飲み物があり、レモンにはビタミンCがたくさん入っているというイメージがあると思います。

そして、ビタミンCは酸っぱいというイメージも同時につきました。

しかし、レモンより赤ピーマンの方がビタミンCは多いですし、レモンの酸っぱさの原因はクエン酸です。

なんとなく「酸っぱいからビタミン豊富」と考えていた人はクエン酸を豊富にとっていただけかも知れません。

イメージで良し悪しを決めると、全く的外れな行為をする可能性もあるので、気をつけるべきでしょう。

イメージでお金を失う前に

イメージで的外れになってしまうことは投資でもあることです。

株式投資などでも、イメージで「業績は良いけど馴染みがない会社」より「潰れそうだけどよく知っている会社」を選ぶ人がいます。

潰れそうでも応援として投資するなら良いですが、基本的には利益になるところに投資する必要があります。

どれくらいの利益が望めるかを知るには、事実が必要です。

イメージはきっかけを掴むには良い手段だと思います。

ですが、イメージだけで判断すると、実は大した利益にならなかったなんて可能性も十分にあります。

何事もイメージだけでなく事実も見て判断するようにしましょう。

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