五十嵐大輔

2021年12月10日4 分

住宅ローン減税。改悪より考えるべきこと

みなさん、こんにちは。DSKです。

年末に適用期限を迎える「住宅ローン減税」について、政府・与党は4年間延長したうえで、控除率を1%から0.7%に引き下げる方向で最終調整を進めています。

これに対して改悪と憤っている方も多いですが、本来の目的からすると当然なのではないかと思います。

これで大きくダメージを負うのは一般的な方ではなく、制度を利用して儲けようとしていた人たちでしょう。

それに一般個人は、住宅ローン減税を気にする前に、そもそも住宅ローン自体のリスクを考えるべきでしょう。

住宅ローン減税の改悪

「住宅ローン減税」について、政府・与党は4年間延長したうえで、現在、年末時点のローン残高の1%としている控除率を、0.7%に引き下げる方向で最終調整を進めています。

一方、現在10年間としている控除期間については、13年間に延長される形で調整が進められています。

今回の変更の理由は、大きく2つ

1つは低金利が長期化する中、支払う利息よりも多くの控除が受けられ、不必要なローンの利用につながっているという点。

2つ目があえて長期で組み、返済額を少なくし減税額を高くしようとする動きに繋がっている点

本来この制度は、住宅ローンの金利負担を減免させるために作られた制度ですが、現在の低金利では8割ものが逆ザヤとなっている様です。

逆ザヤとは、支払うローン金利より減税額の方が高くなっていること。

例えば、4000万円の家を0.5%の変動金利で借りた場合、支払う利息はザックリ計算すると

4000万円 × 0.5% = 20万円

それに対し還付される額は4000万円 × 1% = 40万円

40万円 - 20万円 = 20万円

この様に家を買えば期間中、政府から毎年お小遣いがもらえることになってしまうので、本来の目的とはかけ離れていると判断されているのです。

焦って購入する必要はない

すでに購入が決まっている人で、条件に当てはまっている人は制度の期限を確認して、間に合う様に行動していきましょう。

ただ今回、改悪になるからといって見慌てて購入しようと思った方は気をつけましょう。

投資家として始めから売って利益にするつもりでなければ慌てて購入する必要はありません。

住宅ローン減税はよく勘違いされますが「最大で40万円が減税される」のであって、物件を購入したら40万円貰えるわけではありません。

様々な控除を利用した結果、そもそも10万円しか税金を払っていなければ、4000万円の住宅を購入したとしても10万円しか還付されません。

しかも400万が欲しいからと、4000万円以上の物件を買ってしまうのでは本末転倒です。

住宅ローン減税に限らずですが、お得な制度を計算に入れて計画を立てることは大切ですが、あくまで「その制度があってもなくても必要な購入、支出である」ことが大事です。

なんでもそうですが「今買うとお得」で買うものは実はいらなかったり、満足がいかないことが多いものです。

本当に自分が欲しいと思い計画的に購入しようとした時に「たまたまお得な制度があった」というくらいの方が、本当に必要な、かつ充実した支出になるのではないでしょうか。

住宅購入は一般個人には過大

また、そもそも論になってしまいますが、住宅ローンを組んで生活のための物件を購入することは、一般個人には過大な債務でリスクが高いと言えます。

借金というものは、その人の会社や年収、返済実績などの貸し出す金額と前提があります。

そして、それらが大きく違うとお金を借りることが出来ません。

年収100万円の人が1000万円を借りようとしても、貸してくれるところはありません。

しかし住宅ローンは、の前提が

・購入した住宅が価値を保たれる

・収入が完済まで下がらない(または上がっていく)

・現時点での人生計画のまま変わらない

ことを前提にして貸し出しているからです。

昔であれば、人口が増加していましたし、地価も上がっていたので良い投資だったかも知れません。

しかし、現在は人口が減少しており、一部を除いた住宅は価値が下がっていくばかりです。

また、今後もコロナ禍のようなことが起きて収入が減ったりするかも知れません。

働けなくなるなどの生活環境が一変する可能性もあります。

数年ならばリスクは低くなりますが、これを30年など長期の前提とするのは、非常にリスクが高いです。

本当に住宅を買うという選択肢が正しいのか。

住宅ローン減税の前に、もっと根本的な部分を改めて考えてみてもいいかも知れません。

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