みなさま、こんにちは。DSKです。
日本経済新聞は10月13日、2021年度にも国が民間の金融機関が参加するモデル事業を始める。と報じました。
国土交通省は住宅購入時の借入額と将来的な住宅価値の差額のみを返済する「残価設定型」のローンの普及に向け、2021年度にもモデル事業を始める様です。
残価設定型ローンが始まれば、毎月の返済を押さえながらマイホームを購入できるといったメリットがあるため、多くの人が購入に前向きになるでしょう。
ただ、残価設定ローンにはデメリットもあるので、内容を把握して計画性のある判断が必要となります。
残価設定型ローンとは
残価設定ローンは自動車購入で多く使われており、将来の価値を設定しその差額を返済していくローンです。
たとえば自動車であれば、300万円の車を5年ローン(60回払い)で購入する場合、60回目の返済額を120万円に設定、残り180万円を59回に分けて返済していきます。
返済が最終回を迎えたときの選択肢は、一般的に以下の3点になります。
売却して残債を一括で返済する
残価を一括で支払って買い取る
ローンを再設定して返済を続ける
先程の例でいうと
1、車を売却したお金で残りのローン残債を返済します。
車が残債より高値で売却されれば差額が手元に残り、低値であれば差額分を手持ちから補います。
2、手持ちのお金で残債を支払います。
車は売る事なく、マイカーとして継続して保有することができます。
3、残債分(上記なら120万)を新たにローンを組んで返済していきます。
この場合、残価設定型ローンよりも金利が高くなる場合が多い。
残価設定型ローンのメリット
残価設定型ローンの1番のメリットは、一般的なローンと比較して最終回までに返済する元金が少ないため、毎月の返済負担を抑えることができることです。
仮に自動車と同じ様な仕組みとした場合、残価割合を高く見積もれる物件であれば、月々の返済額は同じでもより高額な物件に住むことも可能となります。
(残価割合が高い=返済する金額割合が減る)
また車では、残価設定により月々の返済額は同じまま、新車に乗り換えが可能な場合が多くあります。
不動産でも同じ様に可能なら「独り身の間は1LDKで、家族ができたら大きな家に」「子供が独立した後には小さい家に」など、設定金額や期間などで、同じ金額で住み替えが出来ます。
サブスクリプション感覚で、持ち家を購入する人が増えるかも知れません。
残価設定型ローンのデメリット
では逆に、残価設定型ローンのデメリットはどう言ったものがあるのか。
大きなデメリットは「支払いを最後に繰延している」「全額を支払うまでは自己の所有物とはいえない」ということです。
上記の様に300万の車を5年ローン(60回払い)、残価設定120万で返済する場合
59回目まで問題なく返済を続けたとしても、最後に120万の返済ができなければ売却をするなり、他のローンを組む必要があります。
毎月の返済額は返せたとしても、最後のまとまった金額が支払えなければ、毎月固定でレンタルをしていたのと変わりません。
また車の残価設定では「年間の走行距離」や「車体の程度」、「改造の有無」なども考慮されての設定なので、「乗りすぎ」「メンテナンスを怠った」「タバコやペットの臭い」「カスタム」などにより、想定していた残価より下取りが下がることがあります。
そうすると売却しても残価に足りず、新たな支出が発生することがあります。
不動産の場合でも、「定期的なメンテナンスの徹底」や「リフォームの禁止」などが規約に入る可能性が考えられます。
残価設定ローンのまとめ
残価設定ローンは、
月々の返済額を安く抑えることが出来る
残価設定により、同額でも上位の物件に住める
住み替えなどが今より簡単に行える
使い方やメンテナンスに制限がかかる
設定した残価を下回る
以上の様なメリット・デメリットが予想されます。
現実に始まってみなければ分かりませんが、残価設定ローンは上手く利用すれば、とても有効な手段となるでしょう。
しかし、ただ安易に「安くなる」という認識だと、逆に苦しむことになります。
モデル事業は21年からということですが、今後マイホームを検討している方は、自身の計画にあっているのか、仕組みはどうなのか。
今後の動向を追って、有効に方法を検討していきましょう。
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