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生命保険料控除につられるな!

五十嵐大輔

みなさま、こんにちは。DSKです。


先月、法人保険の名義変更プランに規制がかかるという話が浮上し、保険業界が震撼しました。


保険の本質を考えれば当然と言えますが、まだどうなるか分かりません。


保険の営業では、節税を謳い文句に勧誘をするケースが多くあります。


個人でも「生命保険料控除の対象になるので節税にもなる」という話を聞いた事がある人は多いのではないでしょうか?


ですが、この「生命保険料控除」と「保険の契約」は切り離して考えた方がいいでしょう。


「生命保険料控除」とは?


生命保険料控除とは、加入している保険の支払い金額によって所得税・住民税の負担が軽くなる控除です。


2012年に制度が改定され、新制度適用と旧制度適用があります。


新制度と旧制度では、控除金額の計算方法が違うのですが、今回は新制度で説明します。


生命保険料控除は「一般」「年金」「介護医療」の3区分あり、それぞれ支払った保険料に応じて、所得税・住民税の課税所得から控除することができます。


所得税

住民税






最大で所得税は12万円、住民税は7万円が課税所得から控除されます。


例えば課税所得が300万円だった場合、所得税と住民税はそれぞれ10%。


この場合に最大限控除されると、


所得税:12万円×10%=1万2,000円

住民税:7万円×10%=7,000円


所得税と住民税あわせて、1万9,000円税金が少なくなります。


還付額なんて些細な額


この様に生命保険料控除を利用することによって、税金が少なくなるので一見お得な様に感じます。


しかし、これは必要な保険に入っていて適用対象だった結果であって、お得だから契約するものではありません。


それは単純に、年間の保険料に比べて税金の減少分が少ないからです。


日本人の平均給与の方は、課税所得が10%となるので上記の様に最大で1万9,000円。


その最大控除を得るために必要な保険支払額は約24万円。


24万円支払って約1ヶ月分の1万9,000円。


1割戻ってくる事になりますが、単純に保険料が1割以上安い保険で問題なければ、その方がキャッシュが制限されなくて良くなります。


仮に所得税の最大税率45%の場合ではどうなるのかというと、


所得税:12万×45%=5万4,000円

住民税:7万×10%=7,000円


最高税率の人でも6万1,000円しか減額されません。


税率45%の人は年収4,000万以上なので、税金が6万円変わるのは誤差の範囲でしょう。


保険に入った方が得なんてことはない


生命保険料控除は良い制度ですし、保険に加入している人は申請をするべきだと思います。


ただ「生命保険料控除の対象になる」から保険に入るのは、はっきり言って無駄です。


控除になって税金が戻ってきても、支払った保険料以上になることはありません。


最高税率の人は6万円減額になりますが、そのレベルなら保険自体いらないので、結局余計な出費となります。


「生命保険料控除での減税」を狙うくらいなら、安い保険に入って貯蓄しましょう。


その方が流動性の制限もかかりませんし、投資などで増やす資金にも使えます。


たまに


「◯万円の支払いで◯万円戻ってくるので、年利でいったら◯%になります」


という謳い文句がありますが、あれも単利の話ですし投資と違って元本は自由にできるお金ではありません。


しかも生命保険料控除は、支払い保険料が安い方が利回りは良いです。(利回りと呼ぶのなら)


高い保険vs安い保険+運用


例えば、所得税率20%、終身医療保険支払い期間40才〜60才の20年間

①月7,000円の終身医療保険(年間8,4000円)で生命保険料控除の場合。

②月2,000円の保険に変更、5,000円を年利5%で運用した場合。


①生命保険料控除

年間支払い保険料8万4,000円

減税額10,800円(所得税8,000+住民税2,800)で年利換算は12.86%

20年間

合計支払い保険料168万円、減税21万6,000円なので平均利回りは0.64%

支払い保険料は掛け捨てなので、元本の168万円は手元には残りません。

つまり168万-21万6,000円=146万4000円が保険にかけた金額。


②安い保険+運用

年間支払い保険料2万4,000円

減税額6,200円(所得税22,000×20%=4,400+住民税18,000×10%=1,800)で年利換算は25.83%

20年間

合計支払い保険料48万円、減税12万4,000円なので平均利回りは1.29%

同じく支払い保険料は掛け捨てなので、元本の48万円は手元には残りません。


つまり48万-12万4,000円=35万6,000円が保険にかけた金額。


その上で


月5,000円を年利5%で20年間運用すると206万円になります。


支払った保険料と差し引きしても


206万円-35万6,000円=170万4,000円のプラスになります。


①は保険に150万円近くをかけ、②は保険をかけながら170万円もお金が増えている。


今回は20年でしたが、終身保険だとより長い期間になりますし、定年後になると還付額も少なくなるでしょう。


以上の様に、生命保険料控除は「最低限必要な保険」で適用するべきであって、生命保険料控除があるからと入るものではないです。


少しの違いでお金を得る人になるか、失う人になるかが変わります。


耳障りの良い言葉に騙されず、必要な支出だけにして資産形成をしていきましょう。











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